● 歌イビトの記。

 
 
無伴奏・独唱の【歌イビト語ル】こと、タッシー田代が記す、徒然。

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# ありがとう「半年間」、ありがとう「数々の奇跡」(超長文)





計画が浮上したのが、確か、昨年の春先。

そして、毎月それぞれ1公演、

8月22日

9月23日

10月15日

11月22日

12月16日

そのファイナルが先日、1月27日。





楽器伴奏なし、マイクなしの、[歌イビト語ル]

半年間かけての月イチ公演が、遂に、遂に、終幕した。



全てのお客様、そして各方面の方々への感謝は尽きることなく、

さらには、この半年間に経験した数々の “奇跡” にも、

心から感謝したいと思う。




実は・・・・先日のラジオにて初告白したが、

ライブ終了〜帰宅後からの数日間、

ブログ執筆に着手する気にも到底なれないような、

「意気消沈してしまう事態」が発生、

失意の数日間があり、

やっと今、その事態も収束して、

ようやく、この溢れる想いについて筆を走らせる心境に至った。


詳しいことは、後ほど書くとする。





・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜





さて、今回の公演日が行なわれた日の数日前は、

都心でものすごい大雪が降り、48年振りの大寒波が襲った。




思い出すのは四年前、

初めてじゃがいも村で四日間ワンマンを開催した時、

その二日目に大雪(この時も何年ぶりか、だった)となり、交通機関が、マヒ。




開催が危ぶまれたが、

しかし多くのお客様がどうにか駆けつけてくださって、

なんと満員になったという、あの奇跡的な思い出。


今回のファイナル公演は、

当時のことを思い出さずにはいられなかった。









ライブのオープニングMCで、

「この会場で、四年前の大雪の日のライブに来てた方はいますか?」

と、客席に質問を投げかけてみたところ、なんと、

お二人の方が手を挙げた。

なんてすごいことだと、胸が熱くなったのは言うまでもない。

本当に、長年ご愛顧くださっているファンの方々のおかけで、

今の歌イビト語ルがいるのだ。


 



・・・あの、初めての四日間ワンマンが2014年の2月。

翌年2015年の2月にも四日間、

そのまた翌年の2016年には、

2月の四日間に加えて10月のアンコール公演を二日間、

さらに次の年、昨年2017年にも四日間。

そして今回、同じく2017年の8月から半年間かけて、月イチで計六回・・・



・・・あまり考えたことなかったが、結構やってる!(笑)


・・・あの小劇場だけで24回の単独公演! まぢか!






・・・もしかしたら、歌イビト語ルって、

この小劇場で最も多く単独公演やってるパフォーマーなのでわ??

と、

ためしに館長の麦人さんに伺ったら、

まぁ、ここまでやった奴ぁいないわナ、とのこと(笑)






自分的には、ずっとガムシャラにやってきたから、

ここまで回数を重ねてきたとは、あんまり自覚がなかった。


こうして続けてこられたこともまた、きっと奇跡的なことなんだと思う。







別に、今回でこの小劇場を卒業するというわけではなく、

機会があればもちろん出演させて頂こうと考えている。


・・・ただ、

なんというか、

気持ち的には、ある意味、「ひとつの節目」にしたいという想いもあった。


そのあたりが今、自分としての感慨深さになっている。







では、その今回のファイナル公演、

まずはセットリストから振り返りたい。





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■2018/01/27
 
 鷺ノ宮 小劇場じゃがいも村

 半年間の月イチ公演[第六回 ファイナル]



【第1部】

  (01) サーカスにようこそ

  (02) ハーバーライト・セレナーデ

  (03) 寸劇『港ラジオは今日も楽し』
     〜挿入歌:新たなる船出
      愛の讃歌
      紐育の小路

  (04) 船乗りのたまり場





 【第2部】

  (01) アーリィ・ジャズ/アーリィ・ブルース

  (02) 夢のティン・パン・アレイ

  (03) 座布団

  (04) 銀時計を探せ!

  (05) なんて素敵なことでしょう

 <encore>

  (01) 素晴らしい君へ


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久しぶりに歌ったのが、第2部のスタートを飾った、

「アーリィ・ジャズ/アーリィ・ブルース」という、

様々な思い入れを内包した曲。


もともとは、自分のラジオ番組の企画ものの曲として書き、

今や伝説(?)のユニット「サンセット楽団」で初演したナンバーだった。

※メンバー:タッシー田代/神近まり/Rocky北村
 ⇒ 三人でセットの、夕暮れ時の楽団で、「サンセット楽団」(大好きなネーミングだ)。


フラワーラジオで使われているジングルにもなっているので、

メロディだけは知っているという方も、意外と多いかも知れない。

確かレコーディングは当時のRockyの自宅アパートで、

口笛も声も、私が一発で吹き込んだ。






   100年も前の歌が

   今の私に響く。

   アーリィ・ジャズ、アーリィ・ブルース、

   未来に宛てた音の手紙。





1900年代初頭の音楽を話題にしてMCすることが嬉しくてたまらない(笑)ので、

トークはすっかり「100年前の音楽」についての内容になったが、

我々が生きている「今」の100年前=1918年というのは、大正7年、

それは、「第一次世界大戦の末期」にあたる。


戦火の下、苦境の中にある弱き民が歌った「歌」が、

なんらかのわけがあって記録され、

「今」の私達の耳に届き、心に響く。

これを奇跡と言わずになんと言おう。







▼寸劇『港ラジオは今日も楽し』


これまでの半年間、歌のメニューの中に寸劇を織り交ぜて、

書き下ろしの新作も、数年前の再演も、色々とお届けすることが出来た。

(予定していた「三通の手紙」だけ出来なかったのが心残り。だが、きっといつか!)



ファイナルとなった今回は、

昨年の初演、そして札幌公演でも好評を賜った、

『港ラジオは今日も楽し』をお送りした。









色んな意味でハイパーな女優(笑)の二人、千葉綾乃&森 律子が怪演する作品。

前代未聞の、無伴奏ミュージカル。

昨年の内容を、より一層にパワーアップさせた。






これまでは私だけが随所で歌って物語が進んでいたのだけれど、

今回は千葉さん&りっちゃんにも歌ってもらった、というより、

アクションとして「歌を放り投げてみてもらった」と表現するのが正しい(笑)

二人のカオスなパフォーマンスに、私も劇場セットの台座を用い、

カホーンならぬ通称「アホーン」で応戦した笑笑笑笑







それでは、ワンマンライブ後のブログ恒例、

会場で配布されたパンフ掲載の挨拶文を、ここにも載せておこう。

まずは、会場のお客様から「宇良がんばれ!」と声援のあった、千葉さんから(笑)





・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

【ご挨拶/千葉綾乃】

■「港ラジオは今日も楽し」は、歌イビト語ル初めてのミュージカル作品。
内容は下らないです(笑)が、私がタッシーにミュージカルを書いて欲しい、そして出させて欲しいという願いが叶った作品です。ある意味、歌イビト語ルらしからぬ作風ですが、頭空っぽで、とにかく楽しんでいただける、そんなステージ。ただ笑っていただければうれしいです。
今後、無伴奏ミュージカルが上演されるかわかりませんが、これからもタッシーとのステージワークには参加したいものです。

・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜





続いて、いよいよハゲヅラも板についた感のある(笑)、森りっちゃんの文章。

個人的には、彼女の文面を拝読して、胸が熱くなった。





・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

【ご挨拶/森 律子】

■半年間で、私が出演しているのは、先月と今回の2回ですが、実は全公演会場におり、ほぼ拝見しました。
歌イビト語ルさんは、試行錯誤の大変な半年だったのではないかと思います。ただ、見ている側としては、たった半年の中で、変わって行く姿を見られるのは、とても面白かったです。見ているだけというのは楽しいですね。あはは。





きっと、気持ちが沈んだ日も、絶好調な日も、様々にあったと思います。
それこそ、まさしく人生の縮図。歌イビト語ルが伝える世界ではないかと思います。
素晴らしいフィナーレを迎えられるよう、本日はほんの少し、お手伝いさせていただきます。
どうぞごゆるりと、お過ごしください。

・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜






りっちゃん、 千葉さん、 本当にありがとう(笑)






そして、気持ちの高鳴りを抑えつつも長文になってしまった、歌イビト語ルの文章。


・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

【ご挨拶/歌イビト語ル(タッシー田代)】

■ 昨年の8月からスタートした、半年間に渡る月イチの公演も、いよいよファイナルとなりました。
まずは何より、ここまで支えてくださった関係者の皆様、仲間、そして家族に、心から感謝します。
本当に、有り難う御座います。



当初、実は内心、「さすがに六ヶ月連続の公演なんて身の程知らずなのでは・・・」という心境でした。が、日頃から自分に自信を持てない、臆病で神経質で、どうしても計算をしてしまう小者の私ゆえ、とにかくここは恐れずに踏み出そうと決意しました。ダメならダメで、そこにも何かしら得るものはあるだろう、と。
いつもの、姑息にセコく思考する癖を振り払い、毎月毎月、会場に足を運んで下さったお客様に楽しんで頂くこと、ただそれだけを念頭に続けてまいりました。



   



1回目の公演本番中にいきなり声のアクシデントがあり、まさに、歌の神様からの洗礼を受けたのですが、半年間、企画を練り、練習を重ね、走り回り、歌いまくり、徐々に徐々に、新しい景色が見えてきています。
取り入れた寸劇も、新作と過去作品を織り交ぜたりしたことで、今後の可能性を見出せるようになりました。





そしてやっぱり、最後は大笑いしたい。ファイナルの今回は、どびきり愉快な「港ラジオ」をお届けします。
私の書く寸隙はシビアな作品ばかりなのですが、一昨年に初演し、好評を頂きました。あれこれ考えずに、皆さんと一緒にゲラゲラ爆笑できればと、今回、よりエキセントリックにバージョンアップさせてます(笑)




半年の間、愚直に撒き続けたいくつもの種が、いつの日か芽を出してくれるよう、まだまだ精進あるのみ。
ここに御来場くださった皆様と、歌の神様への恩返しは、この種が花を咲かせることで叶うと思っています。
こんな私ですが、今後ともどうか、宜しくお願い致します。 ・・・そして、今日は存分にお楽しみください!

・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜








それと、今回も私のラジオ番組の常連投稿者、

ラジオネーム「ちんや」さんが、

またしても有り難いライブレビューをFacebookに上げて下さった。

Facebookをしていない方のためにも、恐縮ながら転載させて頂こうかと思う。



・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

8月から続いた月一ワンマン公演もいよいよファイナル。
この後はしばらく彼のワンマンライブは見られないとあって、会場の鷺ノ宮じゃがいも村には大勢のファンが詰めかけました。

盛大な拍手で幕を開けたステージは、彼一流の軽妙なトークからスタート。
観客を笑いに包みながら、徐々に会場の温度を上げていきます。





お馴染みのナンバーを次々と熱唱していく歌イビト語ルことタッシー田代。
のどの調子もダンスのキレもバッチリです。
この日に向けてキッチリとコンディションを整えてきたことが伺われます。

しばし歌イビト語ルの世界を堪能した後は、お待ちかねの寸劇『港ラジオは今日も楽し』の始まりです。
今回はタッシー劇団(?)の2大女優、千葉綾乃さん・森律子さんの豪華共演による無伴奏ミュージカル(!)

見かけによらず(失礼w)軽やかなダンスを舞う千葉さん。
そんな千葉さんに豪快に投げ飛ばされる森さん。
そんな二人を横目に、ラジオになりきり淡々とBGMを奏でるタッシーさん。
三者三様のパフォーマンスがテンポ良く絡み合って、まさに大爆笑の無伴奏ミュージカルを観せてもらいました。
いやー笑った笑ったw






後半戦はお馴染み『座布団』で盛り上がった後、こちらもお馴染みの『銀時計』のコーナー。
今回は以前保育園でタッシーを見て、今回お母さんと一緒に見に来ていた可愛らしいハルちゃんが大当たり!
ちょっと恥ずかしそうでしたが、見事に特製色紙をゲットしました。
このように親子で見に来ても楽しめるのが、彼のステージの特色であり素晴らしさだと思いました。
(なんと中学生以下は無料なのです!)





グランドフィナーレに相応しい盛り上がりを見せた今回のステージ。
ラストはタッシーさんの目に光る物もあり、感動の内に終幕となりました。。。

と見せかけておいて、最後の最後にあんなオチが待っていたとは!w
このオチは是非次回の公演で確かめてみてください。


・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜


・・・ちんやさん、身にあまる有り難きレビュー、本当に有り難うございました!


そうそう、ちんやさんが言っているように、

会場には、数年前に私が訪問ライブとして出向いた保育園の、

その時の園児のご家族がいらっしゃっていて、いやはや、この上なく嬉しかった。



ファイナル公演の「銀時計」の色紙は、

なんと赤色! レア過ぎますぞ!

当たった方々、おめでとうございました!






あと、「銀時計」での歌返しに、今回はジュリーの「勝手にしやがれ」が初登場w

会場の皆さんが両手を上げて「あ〜あ〜♪あ〜あ〜♪あ〜あ〜〜〜〜〜〜♪」って光景が、

たまらなく奇跡的だった(爆)





本編ラストは、この半年間公演から本格的に導入した曲、

「なんて素敵なことでしょう」で締めくくった。


今回の全六回公演を象徴するような曲と言える。








ご来場の皆さん、関係者スタッフ&共演者の皆さん、本当に有り難うございました!






さぁ! そして、いつものように打ち上げでダバダバと呑んだ(笑)(笑)(笑)


打ち上げの会場となった居酒屋さんでは、なんとサプライズの花束が!

これまで、打ち上げのお店のスタッフ様からの花束なんて、

たぶん過去に一度もなかったかと・・・・。

あまりの嬉しさに泣けてきて、何と表現すれば良いのか、もうわからなかった。







また、お仕事で遅れての参加合流となった麦人さんからは、

恐れ多くも、

「連続ライブ、本当に頑張ってくれて、

オレも館長/運営者として、心底より感謝だよ」と、

これまた有り難いお言葉を頂戴した。





さらに、麦人さんの奥様からは、これもサプライズ!

なんと、手織りのマフラーを戴いた・・・・メッセージカードとあわせ、これも大感涙。










というわけで、

半年間の月イチ公演、これにて全日程終了!

ただただ、皆様に感謝!感謝!感謝!


仲間たちと大いに呑み、満ちた心を実感し、

まだ雪の溶け残る中、終電近い時間帯に帰宅。



達成感と美酒に酔い、

あとはこの幸せを胸に抱いて眠るだけ・・・・・






の、はずだった。






・・・・・が、






予想もしていなかった事態が発生し、状況と心境が、一気に急変した。






▼歌イビト語ルのスーツ紛失、行方不明。



幸せいっぱいの気持ちで、地元の駅に降り立ち、小腹が減ったので、

家の近くの「富士そば」で、天ぷらソバを食べてから帰ることにした。

これがその時の、自分のスマホで撮った写真。





まだこの時は、事態発生に気が付いておらず、

天ソバを「自分へのご褒美」としてウキウキ気分で撮影していた。


しかし、ソバをたいらげて、荷物を持って、店を出ようとした時、

衣装のスーツを入れたカバンが無いことに気付く。




・・・・・あれ、スーツがないぞ。




店内を見渡しても見当たらない。


食券を買うときに足元にいったん置いたような・・・

いや、どこにも無い・・・・。



え???  どこかに置き忘れてきたのか・・・?




外に出て、駅に戻ってみることにした。


寒空の冷気と変な汗が入り混じって、自分の体温が、徐々に妙な感じになってきている。



駅員さんに尋ねる。

色々と質問される。


スーツの入ったカバンの特徴、中に入っている物、時間帯、乗車駅など・・・・・。



「現時点では、届け出は、無いですね〜」とのこと。



え・・・・



もうそろそろ終電なんで、明日また尋ねて頂ければ調べますよ、と言われ、

仕方なく、ひとまず家に帰ることにした。



うわぁ・・・・ まじかぁ・・・・



あの歌イビト語ルのスーツは、ただのステージ衣装ではない。

ご存知の方もいると思うが、あのスーツは、「死んだ親父の形見」のスーツだ。



もしも、見つからなかったら・・・・



何より、今年の札幌ライブをはじめ、

今後も再演しようと決めていた寸劇『ハモニカ』は、

あのスーツでないと意味がないので、もしも最悪、発見できなかった場合、

もう二度と、あの演目が出来なくなってしまうことになる。



さっきの打ち上げの席で、麦人さんから、

「タッシー! あの『ハモニカ』だけは、ずっと演ってくれよな!」と、

激励されたばかりなのに・・・・。




帰宅しても、気が気じゃない。

いったい、どこに置き忘れた????

よく思い出してみよう、と、記憶の糸を手繰り寄せる。


地元への電車には、池袋から一人で乗車して、空いていたから、座れた。

この車内に置き忘れたか? いや・・・・さっき、駅員は「無い」と言った。

明日の早朝、また尋ねに行こう。


池袋までは、高田馬場からの山手線だった。クゥ先生と二人だった。

山手線ではずっとしゃべってたから、荷物の記憶がいまいちハッキリしない。

昔、レンタルCDを置き忘れて上野駅まで取りに行ったことがあったな・・・

こちらも朝6時から忘れ物センターの電話受付が始まるから、聞いてみよう。


山手線の、高田馬場のホームでは、守友くんや森りっちゃん、

千葉さんほか、数名の仲間もいた。あの時は、スーツを持っていたか??

・・・・覚えていない(泣)

ではその前、

西武池袋線、鷺ノ宮から高田馬場までは???


・・・・あ! そうだ!


ラジオネームちんやさんが、鷺ノ宮のホームで写真を撮ってくれて

SNSに上げてくれていたはず・・・・!




右手に持っている!!!


ここまでは確実にあった、ということは、居酒屋に置き忘れたわけではない。


この後の西武線か、山手線か、地元への私鉄の車内・・・・。

しかし、この夜に出来うる推察は、ここまでが限界。

とにかく愕然と、呆然と、あまりのショックと失意で、一気に私は落胆した。


リビングでひとり、頭を抱えて座り込み、深いため息を、何度もつく。





偶然、この日のライブ会場への小屋入りの直後、私はたまたま楽屋で、

何を思ったのか、スーツの写真を、スマホで撮影していた。





このスーツが、ステージ本番での役目を終え、その後にこんな事態に及ぶだなんて・・・・



なんてこった・・・・という、己の不行き届きを恥じつつ、ベッドに入る。

あんなに喜びに満ちた数時間前から一転、酔いも覚め、眠れるわけもなく、

こんなところに思わぬ落とし穴があるとは・・・と、落胆するだけだった。




そして、翌朝。




まだ日も昇らない、始発の出る薄暗い時間に、地元の駅に出向く。

再び駅員さんに調べてもらうが、やはり「無い」とのことだった。


JRにも、西武線にも、問い合わせの電話を入れた。

しかしいずれも、「無い」という。


かなり、絶望的な思いになった。生きた心地がしなかった。

悔やんでも悔やんでも、悔やみきれない。


あれくらいの大きさの物だから、見つからないなんてことはないはずだが・・・・。

もしかして置き引きにあったか??? いやそれもありえないんじゃないか。


推測が推測を呼び、気持ちを巡らせるが解決もしないので、もはや途方に暮れる。


気が付けば、富士そばの裏にまわって、雪に埋もれたゴミ捨て場の周辺を探していた。

ああ、オレは、なんて格好悪いんだ・・・・


さらには、警察にも届け出た。

事情を色々と話すと、お巡りさんはとても親身に聞いてくれて、有り難かった。



前日、あれほどのライブをやって、宴会で盛り上がって、疲れが溜まっているはずなのに、

そんなことも吹っ飛ぶほどの、この失意。



今回のライブ写真が、いわゆる「スーツ時代」の最後のショットなのか・・・・。

悲しくて泣けてくる、いや、悔しすぎて涙も出ない。




そして、やがて、「今後のこと」を考えてしまっている自分が現れる。




・・・これからのステージ衣装はどうするのか。




歌イビト語ルは、どんな衣装で、今後のステージを務めればよいのだろう??



もしかしたら、

これは、「もうイメチェンの時期にきたのだ」という、何かしらの啓示なのか??

これまでのスタイルに固執せず、新たな域に踏み出さねばならないということか??

それともこれは、何かの罰なのか?? ならばいったい何の行為に対する罰なんだ??

ああ、もう、あのスーツは、本当に諦めなければならないのか・・・・?????



しかし、色々と思案を巡らせてみても疑問符だけで、前向きになんてなれやしない。



未練と、執着と、弱気。

そうだ・・・私はとても小さな、小さな人間なのだと、あらためて気付かされた。



いくら苦悶にあがいても、出口の見えない暗闇の中に、私は埋没する。



メシも喉を通らない、ため息しか出ない、話を聞いた家族も全員、ガッカリしている。

もちろんこのブログにも着手できるような心境ではなかった。

無情のまま時間だけが過ぎ、本来ならゆっくりできるライブ翌日の休暇は、虚しさに終始した。






翌日は、仕事に出た。




出勤の道すがら、もう一度、JRと西武線と地元の私鉄に、電話で問い合わせる。

JRは混雑でつながらない。

ほかの二社の返答は、またもや「無いですね」だった・・・・。

丁寧に対応してくださって、本当に有り難かったが、落胆は深まるばかり。



これはいよいよ、断念するしかないな・・・・



いつまでも執着していても、どうにもならないもんな・・・・



残念で無念なこの気持ちを、仲間にどう伝えよう・・・・



今週のラジオは、こんな心境で務まるのかな・・・・



この失意と落胆を、どうやって夢や希望に換えることが出来るのだろう・・・・



その日は、こんなことばかりを考えながら、

仕事して、ため息ついて、また仕事して、ため息ついて、という感じだった。



そして、仕事を終えて、とりあえずJRにもう一度、電話する。

・・・・まだ混み合ってて、一向につながる気配がない。



そこで、

たまたま通勤の駅がJR中央線なので、駅員に聞いてみた。

「山手線の忘れ物って、ここで調べて頂くことは出来ますか?」

すると、

駅のホーム上の遺失物管理センターで、データ検索してくれるという。

なんだ、そういうこと、やってくれるのか、と、その事務所に出向く。


もう何度目の申告になるのか、再び質問ぜめを受ける。

スーツの入ったカバンの特徴、中に入っている物、時間帯、乗車駅・・・・・。


これが最後の申し出になるんだろうな、という、かなり諦めきった心情。




しかしその時、


特徴がよく似た、共通点の多い忘れ物が一件、報告されてますね、と言われた。





・・・・!!




茶色い革の、スーツの上下とワイシャツの入ったカバン。

スーツは黒(本当は濃紺だが、パッと見は黒にも見える)で、ストライプ入り。





・・・・!!


・・・・あった、あったぞ、きっとこれだ!


全身に、何かがほとばしる感覚があった。



28日の朝に遺失物として届けられ、現在は大崎駅で保管中。

紛失は27日の終電近くだったから、翌朝の発見になった・・・・。

大崎駅での保管は「明日の20時まで」とのこと。

そのあと東京駅に移送され、引き取り手がない場合は東京都の警察に移されるという。


実物の写真などを見たわけではないので、確実に自分のスーツであるとは言い切れなかったが、

もし仮に、それが「違うもの」だった場合は、もうこれで完全に断念する決意だった。

しかし、なにはともれ、安堵の気持ちが出てきて、少しだけ心情が和らいだ。

帰宅後に嫁さんに伝えると、「きっとそれだよ」と、私を勇気付けてくれた。



そして翌日、仕事を終えて大急ぎで大崎に向かい、遺失物管理センターへ。




係の人が「こちらですかね」と出してきてくださったのは、

まぎれもなく、私の、歌イビト語ルのスーツだった。




カウンターで、カバンごと抱きしめて泣いた。



心の中で、親父に、何度も繰り返し、謝った。



帰りの道中は、持ち手を強く握りしめて持ち帰った。



帰宅すると、家族みんなが、全力で喜んでくれた。



嫁さんは、いつもより多めに缶ビールを買ってくれていた。




・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜



今にして思えば、己の不注意とはいえ、この上なく貴重な、奇跡的な数日間だった。

もちろん、スーツが無事に見つかったからこそ言えることではあるが・・・。





この事態が生じたおかげで、様々なことを考える状況に至った。


浮かれた時の落とし穴や、いい気になった時の注意力散漫は、

今後の自分への重要な教訓だ。





また、結局のところ自分は、こういう事態でうろたえる小者であり、

有事のその先に展望を見出せる力もないヘタレ野郎なのだと、あらためて再認識した。


さらに、執着や固執を、いさぎよく断ち切る勇気が、普段から備わっているのかどうか、

それについても、もろに直面し、自問自答を余儀なくされた。





そして、歌イビト語ルは「私だけ」で構成されているのではなく、

衣装や設備の有形物、お客様はじめ多くの方々、家族の支えがあってこその存在なのだと、

今回の件でより強く、実感した。





半年間の月イチ公演を達成した程度でいい気になるんじゃない、

まだまだ精進を重ね、音楽への恩返しを行ない続け、もっと世の中の役に立たなければ。




もしかしたら、親父は、私にそういったことを伝え、戒めようとしたのかも知れない。






あのスーツを着て再びステージ立てることの幸せを今一度、心に抱き、

これからの一回一回のライブを、全力で努めていこうと、あらためて決意した。




とても精神的に衰弱しきった数日間だった(笑)けど、

この「奇跡」に心から感謝し、今後も思いっきり、この人生を生き抜いていこう。




今件にてご迷惑をおかけした方々に、この場を借りて深くお詫び申し上げます。

各鉄道会社でご対応くださった担当の方々、そして地元の警察の方、

本当に有り難うございました。






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【歌イビト語ル】公演情報(解禁!)


〜企画ライブ続々!〜


■3月18日(日) 練馬B-born 軍鶏八イベント

■4月1日(日) 上福岡(東武東上線) 音喫茶 一乗

        Opening Act:ルリルル


〜フラワーラジオ開局20周年企画〜


■4月24日(火) 鴻巣 鴻巣市産業観光館「ひなの里」

■4月27日(金) エルミこうのすショッピングモール

         ※フライフラワーズとして出演!


〜札幌ツアー2018〜


■6月17日(日) 札幌 musica hall cafe

        with カラーシュガー!

いずれも詳細後日! http://www.utaibitokataru.com



 
| - | - | 15:32 | category: Utaibito's Live |
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| - | - | 15:32 | category: - |
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Next Live !
【歌イビト語ル】


〜半年間、月イチのワンマン〜

★8月22日(火)夜 ほか

中野 鷺ノ宮
小劇場じゃがいも村

・各日限定30名様
▼ご予約受付中▼
こちらから!



☆詳細は
公式ページ

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無伴奏・独唱
歌イビト語ル
『人生喜劇ブラボゥ』


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