● 歌イビトの記。

 
 
無伴奏・独唱の【歌イビト語ル】こと、タッシー田代が記す、徒然。

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# 映画(4月上旬)
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安静の日々、

さすがに寝たきりだと、悶々と考え事をはじめたり、

不用意なネットサーフィンをしてしまったりして、

そうなると絶対にネガティブ思考の連鎖に至る。



そんな毎日だから、余計に映画に触れたくなる。




◆ 『 白痴 』  1951年  日本



黒澤は並々ならぬ想念を持って、本作を【4時間25分】もの巨編にした。
しかし制作の松竹にズタズタにされ、2時間46分の作品として公開された。
黒澤は、『どうしてもカットしたいのならフィルムを縦に切ればいい』と憤慨した。
芸術を世に送る立場の人間が、その作り手の思想を踏みにじってまで利潤を得ようとした映画。



これまで拝見してきた黒澤作品の中で最も「舞台劇」を観ている感覚になった。原節子の凶狂たる表情や、森雅之の人間離れした純粋さは、他の映画では見たことがない凄まじさだった。そして目を奪う、まるで異国のような、昭和20年代の札幌の風景。
これが自分にとって「最初に観た黒澤作品」だったら、だいぶ異なる向き合い方になっていたかも知れない。この作品の翌年、黒澤は『生きる』を作る。



◆ 『 殺人魚フライングキラー 』  1981年  アメリカ



『タイタニック』や『アバター』といった超ヒット作で知られるジェームズ・キャメロンの、これが監督デビュー作品で、これでもかというほどのB級ホラー。ピラニアが空中を飛んできて人間に噛み付く。



配役も設定も展開もすべてB級ホラーとしてバッチリなので、たとえキャメロンの黒歴史だったとしても、個人的には大ウケした。だってピラニアが飛んでくるんだもの。
ちなみに私は『タイタニック』も『アバター』も拝見したことがない。というか、超絶に暇にならない限り、今はそれらを特に観るつもりがない。『ターミネーター』の1作目は好きだ。



◆ 『 麦秋(むぎのあき) 』  1934年  アメリカ



キング・ヴィダー監督が、自らの私財を投げ打ってまで作った映画。
アメリカの大恐慌時代、ある若い夫婦が都会の生活を捨て、新天地の農場をサラ地から耕し、仲間を集め、共同体として苦楽を共にし生きてゆく物語。
小津作品の『麦秋(ばくしゅう)』とは別。



監督の名前に聞き覚えがあると思っていたら、PONYの1stアルバム収録「オールド・シネマ・パラダイス」の中に音声をサンプリングした戦前映画『ハレルヤ』(1929年)の監督だった。
クライマックスはトウモロコシ畑へ用水路を引くシーン。なんと監督は、撮影現場にメトロノームと大太鼓を持ち込み、「ツルハシは1拍目と3拍目/スコップは2拍目に土を突き刺さり4拍目に土を掻き出す」と指示、動作を4分の4拍子で演じさせて、速度をワンカットごとに速くしていく=緊張感を高める演出をしたという。圧巻この上ない感動的なシーンだった。



◆ 『 アルゴ 』  2012年  アメリカ



アカデミー賞の審査の概念がさっぱり分からない。
この映画は1979年のイランで起きた「アメリカ大使館 人質事件」を【題材にした映画】だが、劇中の「映画的に面白いシーン」はすべて後付けの、いわば捏造だという。



確かに「映画としてはかなり面白い」し、よく出来ている。テヘランのバザールに出かけて騒動になる場面にはハラハラしたし、いよいよ国外脱出となる飛行機離陸のシーンは息を呑むほどドキドキした。
ただしそれらは、【映画として面白くさせるため】の大胆な脚色で、しかしそれも含めて大々的に「実話」として銘打ち、あげくアカデミー賞の授与にまで至った。
まぁ、そんな類の作品はこれが最初ではなく、昔から蔓延っている話ではある。歴史上の事実の映画化に際し、ある程度のフィクションが加味されることについても全否定はしない。ただ本作が、興行&賞獲りのために見境なく、まるで節操の度合いを判断できない人らで盛り上がった作品だということは、よく分かった。



 『 キング・オブ・コメディ 』  1982年  アメリカ



コメディアンとして有名になりたくて仕方のないルパート・パプキンは34歳とのことだが、いっぱしの歌うたいになりたい私は、彼より15ほどさらに歳を食っている。ならばいったい私は、果たして彼から何を学べばよいというのだろう。
芸能界で有名になるために妄想を膨らませ続ける彼は、私の目には余りにも痛々しい人物で、同時に自分の心境の溝淵に鬱積した「よごれカス」のようでもあり、直視に耐えない存在だ。



黒澤明が大好きな作品であり、松田優作は本作のデニーロを絶賛した。
私には無理だ、共感できる要素がない。それは、この歳になっても夢夢夢で生きてしまっているせいでもあるし、ルパート・パプキンが私自身かも知れないという恐怖のせいだ。ものすごい映画だが、好きな映画として大切にはできないと思う。



◆ 『 秋刀魚の味 』  1962年  日本



小津安二郎の遺作。人生の秋に味わう旨味と苦さ。
妻に先立たれ、娘に頼り切って暮らしている中年男が、娘の婚期逃しを懸念し嫁に出す・・・というストーリーは、どうも小津作品によくあるパターンらしいが、『東京物語』しか拝見したことのない自分にとっては、これが最初。
降ろさねばならぬ「過去の重荷」を降ろせず、背負うべき「新たな価値観」を背負えない、戦後と高度成長期の狭間にあった、もどかしき昭和の庶民の佇まい。



特徴的な、固定化されたアングル目線と、独特な演出。その徹底さはもはや、ともすれば非常にエキセントリックな手法のようにも思える。
そして音楽が素晴らしい。私の心を幾度となくホロリホロリとさせる旋律。作曲家・斎藤高順の仕事。何よりテーマ曲が実に良いが、あの「軍艦マーチ」がここまで物悲しい世界を内包していたとは、この作曲家でなければ気付けなかったことだ。そして奇遇か、私がこの映画を拝見した日は、その作曲家の命日であった。





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無伴奏・独唱【歌イビト語ル】

今年も決定、四年連続の札幌公演!

■6月19日(日)

■札幌 musica hall cafe

http://www.musica-hall-cafe.com/

 開場17:30 開演18:00
 
★特別共演:森 律子★
 
 前売: 2500円(当日のご精算)
 ※小中学生無料
 
【ご予約フォーム】
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| - | - | 19:05 | category: Movie |
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【歌イビト語ル】


●トワ金1000回記念ライブ
 歌イビト語ル/真之輔/
 神近まり/フライフラワーズ
 →2019年12月7日(土)
  ※昼13時〜
  ※限定30名様
▼ご予約受付中▼
こちらから!



☆詳細は
公式サイト

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